目標14
海の豊かさを守ろう
海の中は想像以上に汚染され、多くの海洋資源は秩序無く乱獲されてきました。世界人口が3倍になる中で海洋水産物の消費量は5倍になり、多くの生物が根絶されそうになっています。長期的な資源管理の観点から天然海洋資源については漁獲量を申告・管理・調整する必要があります。また海洋水産物の4割以上を占める養殖は環境負荷や動物福祉の観点で見直す点も多くあります。世界中の海はつながっており、深層海流によって海洋汚染は広がってゆきます。プラスティックや化学繊維による海洋汚染をこれ以上拡げないために、商品リサイクルや、自然界への流出を防ぐ責任を企業や市民でも共有してゆきましょう。小規模の漁業者も生活できるよう、先端技術の普及啓発にも支援が必要です。
目標14のターゲット
海の資源をずっと使い続けられるように守りながら使おう
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14.1
2025年までに、海洋投棄によるごみや富栄養化排水など、特に人間の生活による汚染をふくめたあらゆる海の汚染をふせぎ、これを大きく減らす。
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14.2
2020年までに、海や沿岸の生態系を保全し、自然回復力を高める。健全で生産的な海洋環境を維持できるよう、海と沿岸の生態系を回復させるための取り組みをおこなう。
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14.3
あらゆる分野での科学的な連携をすすめ、海洋酸性化の悪影響を最小限に抑えるよう対策をとる。
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14.4
海洋水産資源、その種類に応じて適切に管理し、各種の全体の数を減らすことなく漁業が継続できる上限まで早急に回復させる。そのために2020年までに魚の漁獲量規制を設け、魚の乱獲や違法で未登録の漁業を取り締まり、破壊的な漁法を禁止し、科学的な海洋資源管理計画を実行する。
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14.5
2020年までに、国内法や国際法を守り、入手可能な最適な科学情報を駆使し、少なくとも世界中の沿岸域や海域の10%を保全する。
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14.6
2020年までに、節度の無い漁業や、魚の乱獲を助長するような補助金を禁止し、違法で報告や規制のない漁業につながるような漁業補助金はなくし、また新たな補助金を作らないように規制する。その際は、開発途上国や開発が最も遅れている国に対する適切で効果的な(先進国と異なる)扱いが必要となるが、それが世界貿易機関(WTO)の漁業補助金交渉の重要事項であることを認識する。
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14.7
2030年までに、開発途上の小さい島国や、開発が大きく遅れている国が、海洋資源を持続的に利用することで、漁業や養殖、環境負荷の少ない観光を管理可能とし、将来にわたってより大きな経済的利益を得られるようにする。
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14.a
健全な海を維持し、開発途上国や開発途上の小さい島国や、開発が遅れている国ぐにおいて、海洋生物の多様性を保つことががその国の成長に大きく貢献できるように、ユネスコ政府間海洋学委員会の基準・ガイドラインを考えに入れながら、科学的知見を強化し、研究能力を向上させ、海洋開発技術が開発途上国でも使えるようにする。
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14.b
小規模漁業者や漁師たちが、自由に海洋資源や市場を活用できるように支援する。
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14.c
「私たちが望む未来」で明記されているように、海と海洋資源の保全と持続可能な利用のための国際法(国連海洋法条約)を執行し、海と海洋資源の保護を行い持続可能な資源の利用を強化する。