企業のSDGs経営戦略
SDGs経営とは
Z世代が社会人として活躍しはじめ、団塊の世代が消費を牽引しなくなる中、新型コロナウィルスによるパンデミックは日本のみならず世界を大きく変えつつあります。戦後の大量生産・大量消費・大量廃棄による“量で豊かさを測る経済”は見直され、地球上の限られた資源を大切にする「より良い生産」と「賢い消費」が生活の主流になりつつあります。
ミニマリズムに象徴されるように、本当に必要なモノだけで暮らす生き方や、ベジタリアンやビーガンなどの食生活と生命を見直す動き、また本当の自分らしさを追求する生き方は企業にも様々な変容を求めています。
SDGs経営とはそのような大きな社会の変化を理解し、変化の中で持続的な成長を目指すことにあります。
SDGsは17の地球規模課題の解決を呼び掛けていますが、そのSDGsの主旨を理解するだけでは企業の成長には直接結びつきませんし、問題解決に向けて寄付や支援をすることは素晴らしいことですが、それで事業が伸びる訳では無いのです。
SDGsを通じてより広い視野で社会の課題に気づき、より長い時間軸で自らの事業が問題の解決に貢献するように、製品やサービス、そして従業員の働き方も見直してゆくことが大切です。そうする中で少しずつ会社が社会から見直され、従業員がビジネスを通じて生きがいが感じられるようになるのです。
そのような変革が株主や消費者にも評価されるとき、企業は社会が必要とする変化をリードする役を担いながら持続的に成長していくのです。SDGsを経営に実装するとは、あるべき社会の変化を見据えて、その方向に沿う形で事業を行うことなのです。
SDGsを正しく導入することで広がる企業のチャンス
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取引先やマーケットの開拓
《営業戦略/マーケティング戦略》SDGsへの取り組みを通じて、地域との連携、取引先やパートナーの獲得、新たな事業創出など、イノベーションやパートナーシップなど、ビジネスチャンスが生まれます。
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企業ブランディングと人材確保
《ブランド戦略・人材採用戦略》SDGsの取り組みから生まれる企業イメージの向上がブランディングとなり、多様性に富んだ人材確保や持続的なリクルーティングを有利にします。
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マーケットドリブンな商品
(サービス)開発
《製品・プロダクト戦略》SDGsを軸に一歩先のマーケットニーズを理解し、他社との差別化した競争力のある商品やサービスの開発を可能とします。
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持続的成長と中長期的な
企業価値の向上
《コーポレートガバナンス・リスクマネジメント》SDGsを指標にコーポレートガバナンスとリスクマネジメントを効かせることで「会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上」を実現します。
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共通価値の創造(CSV)と従業員満足度向上
《社会貢献》事業活動を通じて社会問題に貢献することで、従業員の働きがいに繋がり、持続可能な雇用と事業経営につながります。
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ESG投資による資金調達
《資金調達》投資基準となる、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)という要素が重要視され、SDGsに取り組む事で有利に働きます。
SDGsウォッシュ(ウォッシング)批判から企業を守る
SDGsウオッシュとは、SDGsと、誤魔化し・上辺だけという意味のホワイトウォッシュを組み合わせた言葉で、一見するとSDGsに貢献しているように見える活動や商品・サービスが、実態はそうではないことを示します。
たとえば、
- 1. 「自然にやさしい」「省エネ」などの表現を根拠なく使用している
- 2. 実際の商品・サービスとは関係のない、SDGs観点でイメージの良いデザインや画像だけを使っている
- 3. 自企業や業界が社会・環境に最も悪影響を与えている課題に対し、対策を講じていない
など
SDGs取り組み推進が加速する中、曖昧な表現で消費者や取引先に誤解を与えたり、事実と異なると受け取られる報告を行ったりすることで、不要な批判や問合せを受けることのないよう、客観性・正確性をもった対応が企業に求められています。
企業の規模やステージに合わせたSDGsの取り組み
中堅・中小企業に求められる取り組み
限られた経営リソースの中でSDGsに取り組むのは容易でないかもしれません。取り組める範囲は限られているかもしれませんが、それで良いのです。まずは始めることが大切です。持続可能な社会に向け、あなたの会社の製品やサービスにきらりと光る個性を持たせることが出来れば、また社員が誇りを持って働ける環境づくりから手掛けてみましょう。もともと持続可能性に優れた日本社会ですので、客観的な目で見ながら、変えられるところから段階的に変えてゆきましょう。
大企業・IPO企業に求められる
取り組み
SDGsの理解が進むにつれ、経営者の理解を得た担当部署は事業を通じた取り組みを推進しようとしますが、そこではSDGsを自分事とは思わない多くの社員がなかなか動いてくれません。ESG投資は益々活況を呈し、従来の財務情報だけではなく非財務情報の評価も始まります。社会にとってマイナスになる要素は遠慮なく批判に晒されることになります。SDGsは世界共通の事業評価フィルターとしても利用されるので、日本国内の事業であっても、投資家や銀行からはグローバル・スタンダードで評価されます。過度に意識する必要は無いまでも、先進的な取り組みをしている企業を正しく理解し、自社でも取り組めることは進めた方が有利になります。
世界の資源や食糧に依存し、世界の市場を相手にする日本という国は常に国際社会でパートナーとして認められる必要があるのです。
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