SDGs用語集
インクルーシブ ビジネス
インクルーシブ ビジネスは、ビジネスのバリューチェーンの中に地域社会で暮らす人々(主に低所得者・貧困層)を消費者、顧客、取引先、起業家などとして巻き込み(インクルードし)ながら、事業の発展だけではなく雇用の創造や所得水準の上昇などを通じてコミュニティ全体の発展を図るビジネスの手法のことを指します。主に発展途上国におけるBOP(Base of the Pyramid)層と呼ばれる低所得者層を対象としたビジネスにおいて用いられます。
BOP層とは?
■ BOP層の定義
1日あたりの生活費が8ドル(約880円)未満の人、日常生活に必要な食料、飲料水、住居、交通、電力などの生活必需品やサービスへの十分なアクセスを持たない人々と言われています。また、その多くが十分な保健医療や教育を受けられていません。世界銀行とIFC(国際金融公社)が2014年に発表したGlobal Consumption Dataによると、世界の人口のうち低所得者・貧困層に属する人々は45億人に上り、こうした人々は経済ピラミッドの下層部=BOP層と呼ばれています。
BOP層を巻き込む(インクルード)するメリットは?
BOP層に属する人々が個人レベルで消費する額は非常に小さいものですが、BOP層の45億人という人々の年間購買力は世界で5兆ドル(約550兆円)にもなります。低所得者・貧困層の人々を単なる支援や慈善事業の対象として見るのではなく、新しい市場としてとらえて、経済の仕組みの一部として組み込み込むことで、経済を成長させながら経済全体を活性化していく事が期待できます。
■ インクルーシブ ビジネスのメリット
- 企業にとってインクルーシブ・ビジネスは、市場を拡大し、競争力を高めるための機会となる
- 貧困層の人々は新たな機会やスキルを基にして収入を増やすことができる
- 結果として更なる投資や教育などを通じて貧困の罠から抜け出すことができるようになる
- 雇用と給与が生まれれば地域活性化につながる
- 長期的展望で投資し成功すれば一大市場に化ける可能性が高い一面を持っている
インクルーシブ・ビジネスを推進している国連が2008年に開始した団体であるBCtA(Business Call to Action)は、国連の掲げるミレニアム開発目標の実現に向けて、グローバル企業らによるインクルーシブ・ビジネスモデルの開発を支援しています。
このインクルーシブビジネスには、100以上の団体が参画しており、多数の国際的企業の関係者がこの取り組みに参加し企業数は増加し続けています。ブラジル、ガーナ、日本、インド、イタリア、ケニア、メキシコ、オランダ、パキスタン、フィリピン、スパイン、トルコ、イギリス、アメリカと、その国はさまざま。
日本の参画企業は、2017年に参画したカゴメ株式会社が有名。カゴメ株式会社はセネガルに加工用トマト栽培事業を展開し、現地での安価で高品質なトマト加工品の製造と供給を目指しています。
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