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サステナビリティ通信 【 2026年、経営者に求められる『選球眼』 】

新年あけましておめでとうございます。

今年こそ、世界が持続可能な未来にむけ、着実な一歩を歩み続けるよう期待し、応援し、自ら率先垂範したいと思います。大型連休を楽しまれた方も多かったと思いますし、年末からのガソリン減税が奏功し、お盆休みに比べると、お車で帰省された方が増えた一方、路面凍結による交通事故や高速道路の大渋滞に巻き込まれて方も、報道では多く見られました。自分自身のセンサーの感度を高め、リスクを回避/克服し、健やかな1年となるように祈っております。

2026年も、世界は大きく変容を続けると思います。そうしたなか、企業経営者の皆様には、起こっていることがご自身のビジネスにとって、どのような影響を短・中・長期でもたらすのか考え、適切に対処する「洞察力を磨く機会」として活用して頂きたいと思います。直接的な因果関係もあれば、思わぬところから相関関係が生まれることもあると思います。野生動物たちが持つ鋭いセンサーを備えるには、さまざまな分野で活躍するリーダーたちとのネットワークが大変有益です。

仕事以外の時間をどう使うかは全く個人の自由ですが、従業員とその家族を擁する企業の経営トップとなると、世界の動向は、見過ごし難い変化の兆候に満ち溢れていることにお気付きになると思います。

サステナビリティ経営では、企業の持続的な発展に向けて、必要なこととそうでないことを取捨選択し、常に行動することが求められます。それは最初、取っ付き難く思えたり、面倒で、負荷を感じるものがあり、また即時に収益に寄与しないことも多いため、「いまうちの会社にそんな余裕は無い」と、中途半端に離脱される経営者もおられます。

経営者の使命が、自社の創出価値を社会に明示し、何に取り組み続け、何から手を引くかを判断することであれば、それは常に迷いや悩みを伴う、孤独な闘いとも言えます。そうした職責に向く人もいれば、向かない人がいるのも事実です。

良い経営者とは何か、自分は何を目指しているのかを書き出してみて、とことん努力しても不向きだと思えば、潔く後進に道を譲り、他人の手で事業の存続を優先するのは英断といえるでしょう。個人の権力のサステナビリティよりも、事業のサステナビリティを優先するには覚悟と勇気が必要ですが、そこが胆力を試される正念場なのです。

組織のマネジメント能力は、エキスパートの指導や経験である程度まで習得することが可能ですが、リーダーシップはそうはいきません。この二つは根本的に違う資質です。本人の志の高さ、学びへの意欲と探求心、他人への愛情や、気力・体力が伴わなければ、周囲から認められるリーダーにはなれません。それは時代やその価値観が大きく変わる際に、自らの理念や哲学、構想力によって常に厳しい取捨選択を迫られるからとも言えるかもしれません。

サステナビリティ経営は「繁栄ある存続」の為に、何かに取り組み続け、適切に取捨選択をし続けることと言い換えることが出来ます。

ドナルド・トランプを大統領に選出したアメリカ合衆国は、世界に大きな影響を与えながら目まぐるしく変容しています。

国際法の下で、多国間連携によって秩序を維持し、世界経済を発展させて行くという理念はこの1年で一方的に放棄されました。このままでは世界は3つ~4つの大国や軍事同盟によって、武力を背景に分断されかねません。2029年の「ポスト・トランプ」時代にも共和党政権が続けば、そうした動きは大きな脅威と映る一方、人類の長い歴史から見れば数十年程度の地政学的再編に過ぎないとも言えます。

人類が地球上で存続するために不可欠なエネルギー転換、気候変動緩和策と適応策、生物多様性の回復による遺伝子情報の保全と活用などは、こうした地政学上の茶番劇とは関係なく取り組み続けなければならない重要分野であり、基本的人権の保障、感染症の抑止、多様性の容認や教育アクセスの保障などは、誰が世界の指導者であろうと、取り組み、改善し続けなければならない、一貫した「地球規模課題」です。

「国破れて山河在り」という杜甫の名句は、誰でも一度は聞いたことがあると思いますが、欧州でもチェコのプラハと、ポーランドのワルシャワを見比べると、その意味を痛感します。政治や経済の一時的な勝ち負けとは別の「価値軸」を持たないと、国も敗れ、山河も荒廃しかねません。

変貌著しいアメリカにおいて、大手コンサルティング企業が5,000人近い企業経営者に対し行ったアンケート調査では、回答者であるCEOやCFO の85%近くから、「サステナビリティの取り組みは静かに継続する。何故なら、それは中長期にわたって企業価値を高め、存続と繁栄に寄与することが十分証明されているから」という回答を得たそうです。

アメリカでは共和党系のシンクタンクが「サステナビリティ先進企業」を狙い撃ちにし、「有色人種を重用し、白人を逆差別している」とか、「化石燃料から自然エネルギーに転換する投資で、株主配当が減らされた」などと、訴訟に持ち込むケースが急増し、泥沼化しています。アメリカ企業の経営者は、こうした法的リスクを回避するためにも、自社のサステナビリティの取り組みを暫くは伏せておこうと考えているということです。

何を継続し、何を止めるべきか、経営者の悩みは尽きないでしょう。しかしその取捨選択に於ける「選球眼」と「投資・経営リソースの傾注」こそが企業経営の成否を決めるとすれば、多くの情報に触れ、適切な判断をし続けなければ会社は傾くか、他社に差をつけられてしまうでしょう。

仮に事業所で火災が起きた場合、重要書類を抱えて真っ先に避難するのがマネジメントだとすれば、リーダーは従業員の避難誘導に体を張れる人です。この人の言うことならついてゆこうという信頼を得られなければ、平時の企業運営は出来ても、有事の企業経営は難しいでしょう。

トランプの法を超越したなりふり構わぬ行動は、アメリカの西部劇に出てくるカウボーイの姿を連想させます。世界の文明が発展し、情報が瞬時に世界で共有される時代にあって、こうした国家運営がいつまで続くかは極めて不透明です。 

人類にとって、本当に大切な価値は何なのか、それらを失う前に、よく考えて世界の英知を結集してゆきましょう。

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